いろいろいまを

“永久未来続くものなどあるはずはないから これで行くさ僕は僕を壊してく” SOPHIA/ビューティフル

2021年の9作品

 

あまり観なかったなあと思っていたのにそうでもなかった。あれもこれもあっという間に忘れてしまう。観た作品のなかからいくつか。

 

 

1. 100点・unチョイス!第13回公演「ヒロイン」(配信)


泣いて泣いてしゃくりあげてカーテンコールで笑顔になった。歳を重ねて経験が増えると子どもにも大人にも色々な人物の各々の立場からの言動に共感したり苛立ったり励まされたりして感情の動きがめまぐるしい。舞台の上で起きていることは”創られたもの”だけれど、その世界で私が感じたり気付いたり考えたことは本物で、それを自分の生活に持ち帰る、そういうことが出来るのが演劇だよなあと思っている。

第13回公演『ヒロイン』 | 100tenunchoice

 

 

2. 未練の幽霊と怪物―「挫波」「敦賀」―


演劇における身体性を強く意識した。それぞれの幽霊の、とある動きが目に焼き付いている。

岡田利規『未練の幽霊と怪物―「挫波」「敦賀」―』 - chelfitsch

 

 

3. NODA・MAP第24回公演『フェイクスピア』


いま、観ることができてよかった。開演前の期待感、この物語の結末がどこに向かっているのかに気付いた観客が増えていくにつれて無声でもわかる空気の揺れと変容、高まっていく緊張、胸が張り裂けそうで身動きをするのも呼吸をするのも憚られ、それでも目の前の出来事から目を離せずに自分は泣くだけ、あちこちから聞こえるすすり泣き、結末への絶望と覚悟、そして終演後の熱気と醒めやらない興奮。有観客の劇場だからこその共同体験だった。単なる演者と観客という観る・観られるという関係ではなく、生の空間を空気をともに創り上げて共有することが演劇の魅力のひとつだというのは日々思っているけれど、劇場空間の”変容”をあんなにも強烈に(緊迫感とともに)肌で感じる経験はいままでにはあまりないものだった。そしてそれは舞台の上で紡がれる"言葉"をその場で受け取る者が存在していたからこそ。いま思い出しても胸が詰まる。

フェイクスピア | NODA・MAP 第24回公演

 

 

4. 100点un・チョイス!第14回公演「#これで恋ができるなら」(配信)


泣いて泣いて泣いて声も我慢できなかった。なんで私はこんなに泣いているのだろうって思いながら泣いていた。こんなこともあるものだね。自分の感情の動きについていけなかった。そして、そこで何が起きているのかわからなくても、そこにいる人たちの様子や会話から感じられる“何か“に心打たれることもあるんだって。自分の感情体験に驚く時間でもあった。音響や照明、セットも含めて演出がとても好きだった。

第14回公演『#これで恋ができるなら』 | 100tenunchoice

 

 

5. 少年社中 第38回公演【DROP】(配信)


しばらく迷宮から抜け出せなかったし心身の消耗が激しかった。観ているあいだにじわじわと侵入されて気付いたら私の深部まできていて観終わったあともそこに居続けるっていう感覚だった。侵入されたものから色々なことを考えてそれもまた濃密だった。そして役者が変わるとこんなにも違うのかという体験もおもしろかった。芝居において”誰が演じるのか”の意味は大きくて、その役者がいまこの瞬間生み出しているものを受け取る演劇がやっぱり好きだなあと思いました。

acopcy.hatenablog.com

少年社中 第38回公演【DROP】 脚本・演出◉毛利亘宏

 

 

6. MANKAI STAGE『A3!』 Troupe LIVE~SUMMER 2021~(配信)


”寂しくなれるって素敵なことじゃん"

MANKAI STAGE『A3!』Troupe LIVE SUMMER 2021 公式サイト

 

 

7. COCOON PRODUCTION 2021+大人計画「パ・ラパパンパン」


ハッピーメリークリスマス!!!!!という幸せな気持ちで劇場を出ました。好き。

COCOON PRODUCTION 2021+大人計画「パ・ラパパンパン」 - 大人計画 OFFICIAL WEBSITE

 

 

8. WBB vol.19「ウエスタンモード」


たくさん笑ってどきどきはらはらして胸が熱くなって最後は明るい気持ちになりました。年末に観劇する作品として大正解!その場限りの生の舞台上で生まれるものを共有して一緒に楽しむという体験。元気いっぱいになる作品大好き!

WBB/WATER BIG BROTHERS

 

 

9. LIVE TOUR V6 groove(11月1日公演)(配信)


こんなにも美しくて軽やかな終わり方をするなんて予想していなかった。というよりどんな風に閉じるのか想像すらできていなかった。感謝してもしたりなくらいの想いを届けてもらいました。たくさんのありがとうを。これからも大好きです。

 

 

*     *    *

  

 

これまで以上に”選択”を意識した一年だったような気がする。観るか観ないか、どのように観るか。もともと観たくても観ない選択をすることも多かったけれど、観劇方法の選択肢が増えて、劇場や配信それぞれの方法での観劇経験も重ねて、何をどのように観るかを自分の状況とも照らし合わせながらうまく選択できるようになったかな。そして選択をするにあたって自分の素直な気持ちを優先できるようになったと思う。”観なきゃ”ではなく”観たい”という気持ち。自分が何をどのように観たいと思うのかが結構興味深かった。私、これを優先させて観たいんだ!という気付き。観劇に限らず何かを選択するときに、頭で考える基準とは別に、自分の好き嫌い、やりたいやりたくないという素直な気持ちから自分の価値観を知ることができるよなあって思う今日この頃。