Morning / Night on Earth
好きな時間。寝る前に星を眺める。朝起きて空を見る。
何がきっかけだったかは忘れてしまったけれど,寝る前に部屋の電気も消してずっと星を見ている。この季節になるといつもオリオン座を見上げてはいたけれど。東窓だからちょうどオリオン座が見える。シリウスとか他の星もたくさん。
夜,窓を開けるようになったその時期,自分の中にある鬱屈としたものが手に負えなくて,何も考えたくなくて流れていく思考をそのままに空を眺めていた。夜が深くなれば星の場所も変わっていって。張りつめた静けさと冷気が心地よくて経った時間に驚くほどだった。
時々走り去る車がたいていタクシーなものだから『ナイト・オン・ザ・プラネット』を思い出す。あれを観たのも深夜で友達と一緒にカラオケボックスだった。夜が深くなればなるほど緊張した静寂になっていく。いつまでも星を眺めていられる。星が見えなくても夜空に雲が見える。夜空に広がる雲は少し不思議。あと木星。
ある日朝起きてカーテンを開けたら見たことのない空が広がっていて,次の日見たら昨日と全然違う空模様で,毎日毎日違う空。そして色。青色じゃない空。光,影。一瞬だけの景色。朝目が覚めたときに,今はどんな空だろうと思うとわくわくする。"今日"ではなくて"今"この瞬間の空。
空を見上げて自分は何てちっぽけな存在なのだろう,なんてことは感じない。そこに空があるだけ。それで自分が抱えていることが小さく思えるなんてことはないし,星を眺めたからといって鬱屈としたものが消えることもない。
その瞬間の空を見たいだけ。静けさの中で自分の中にある暗い沼に浸かりたいだけ。