きらきら

“永久未来続くものなどあるはずはないから これで行くさ僕は僕を壊してく”

少女はすでに死んでいた

 

少女はすでに死んでいた。死んだ少女に関わりのあった人々が集まる。儀式?贖罪?少女の家族に会うのかもしれない。わたしたちは少女に怯えている。少女の存在を感じている。その影が,近くにいることを知っている。何かを知ろうとしている。何かを明らかにすることで少女の影に怯える現実に終止符を打とうとしている。昔を知る人。昔?少女にまつわる話?石壁に囲まれた空間。草木が茂り陽の光は届かない。そこにその人はいる。過去を知る人。家があるはず。けれども家はない。一緒にいた男性がその場所を知っている。通り過ぎた場所。でもそこにあるような気もしていた。壁に取り付けられた石のドア。開ける。緊張と入れ替わりに心臓が脈打つ。そこに人が立っていた。若くもなく年寄りでもない女性。こちらを見ている。奥行はほとんどない。けれども日常の空間がそこに広がる。女性は。料理をしていた?フライパンが見える。その近さに,わたしは動揺する。少女のことを聞こうとするわたしの前に彼が出てきて話をする。内容は聞こえない。無声。いつの間にか女性の空間から離れて歩いている。草木が覆い茂り陽が射しこまないこの空間の出口に近づいていることをわたしは知っている。ここには出口がある。そして左隣にいる男性はわたしと親密な関係であることを思い出す。結婚を約束している。いつの間にか出口を通った。あの空間から抜け出している。彼の背中を見ている。彼が振り返る。それは今の続きなのか,時間が断絶しているのかわからない。彼とわたしは向き合っている。わたしは彼の服の袖を僅かにつまむ。彼がそうしてほしいと言ったのかもしれない。不安だから。でも彼は他人に触れることを好まない。触れられない。そのときになって彼は他人と話をすることが極度に苦手であったことを思い出す。対人恐怖症。では,なぜあのとき女性に話しかけたのか。わからない。袖を掴まれているのはわたしの方なのか。彼は灰色のセーターを着ている。手を胸の高さにあげ,その手は袖から少し見えているだけ。出すのを恐れるように。でもわたしには彼がわたしの袖をそっと掴んでいる感覚がある。やはり掴んでいるのは彼だ。わたしは彼を守らなくてはならないと思う。人が集まっている。少女に関わった人たち。少女。その前にわたしはどこかで落ち着いた明るい時間を過ごしている。少女。集まった人たち。体育館の隅。そして,わたしの目の前に少女がいる。黒い髪の少女。わたしは何かをしっかりと握っている。少女の手?少女の目を強く捉えている。そして何かを叫んでいる。腹の底から声を出して少女に何かを訴えている。呼びかけている。でもその声はわたしの耳には届かない。わたしはそれが己の使命だと信じている。声を出す。聞こえない。何かを両手でしっかりと握っている。わたしと少女を取り巻く空気が震える。何かが変わろうとしている。

何かを握っている感覚を残したまま目が覚めた。そんな夢の話。